結婚は恋愛か見合いか

親子や兄弟姉妹のように同じDNAを持っている可能性の高い者どうしのあいだでは、お互いに助け合ったり、犠牲的な行動をとることはよくあります。こうした行動は人間にかぎらず、他の動物にもみられます。たとえば、アリやハチのように一匹の女王が生んだ子供たちが一つの集団を形成する動物の場合、女王以外の個体はひじように犠牲的です。若いころ、ぼくもたしかに、結婚は恋愛がいいか見合いがいいかということで、あれこれ思いをめぐらした時期があった。三十年前のそのころは今と違って、テレビなどない時代だったので、当時中学生だったぼくは、放課後、場合によると授業を途中でさぼってよく町の映画館に直行したものだった。地方のうす汚れた映画館だったが、観るのはたいがい洋画で、フランス映画の『望郷』とか『舞踏会の手帖』とか『商船テナシチー』『カルメン』、イギリス映画の『ハムレット』など同じものを三度も四度も繰り返して観た。あなたはここで→出会った人に対して、自分の理想を演じずに本当の自分をぶっちゃけられますか?ぼくは本当は東京の湯島に生まれたのだが、戦争で家を焼かれ、昭和二十年から二十五年までの五年間、信州の松本市に疎開していたのだった。松本は東京などにくらべると小さな町で映画館は六軒しかなく、そのうち三軒が洋画の上映館だった。毎週上映される三つの洋画は欠かさず観たが、なにしろ洋画の小屋が三軒しかないから、一週間のうちあとの四日は手持ちぶさたで過ごさなければならない。

参考: DK129_L